ベニバナヤマシャクヤク(ボタン科)

環境省絶滅危惧Ⅱ類・京都府絶滅寸前種・京都府指定希少野生生物

開花時期は6月上旬。形態・生態上の違いからヤマシャクヤクとは別種。城丹尾根だけでなく広く北山全域に自生し、ヤマシャクヤクと同所または交互自生する地域もあります。名前はベニバナヤマシャクヤクですが、ほとんどが白い花です。

ベニバナヤマシャクヤク成育地保全地区案内板の設置(2017.12)
ベニバナヤマシャクヤク成育地保全地区案内板の設置(2017.12)

ベニバナヤマシャクヤクは雲ケ畑を代表する美しい山の花です。全国でも京都府下でも絶滅のおそれがあるとされ、国・京都府でも「希少生物」に指定して絶滅危機からの回復をすすめている植物です。

京都府は、比較的多数が群生する雲ケ畑出谷町足谷地区を「ベニバナヤマシャクヤク成育地保全地区」に指定し、ベニバナヤマシャクヤクとその自生環境を守り府民の共有財産として次代に継承する取り組みをすすめ、関係山主、雲ケ畑自治振興会、足谷の会に伝えるとともに保全活動への協力・協働を求めました。

私たちは、「地区指定」がベニバナヤマシャクヤクなどの希少生物やその成育環境を守る取り組みに結びつく行政施策であると考えこれを歓迎し評価しています。

 

「成育地保全地区」とは、京都府がベニバナヤマシャクヤクの成育に支障が生じることを防止するために保全を図る区域を指します。足谷出合(小屋)から癒しの森(足谷源流)までのおよそ37haがその区域です。さらにその一部が「管理地区」になります。「管理地区」とはベニバナヤマシャクヤクの生息地又は成育にとって重要な区域のことで、いずれも京都府が直轄し保全活動をすすめることになります。「地区指定」事業により山林を所有する方々、地域住民の方々への権利制限などが起きることはありません。

 

私たちは、府下で初となる「成育地保全地区」指定を受けとめベニバナヤマシャクヤク自生地の下草刈りや日照改善の活動などに協働して取り組んでいます。また、美しい花が咲く時期には雲ケ畑地域の方々はもちろん市街地に暮らす方々にも鑑賞・観察を呼びかけ、公開活動に取り組みます。こうした活動が希少植物の保全と地域活性化につながることになれば望外の喜びです。